2012年5月16日開催
食洗協総会後講演会「人(他人)と人(自分)との接し方」と落語で熱演
平成24年5月16日、当協会設立以来、初の試みとして落語協会の金原亭馬生師匠をお招きし、総会後講演会が開催されました。前半は「人(他人)と人(自分)との接し方」というタイトルで講演され、後半は古典落語の「笠碁」を演じられました。
2012年5月16日開催
食洗協総会後講演会「人(他人)と人(自分)との接し方」と落語で熱演
平成24年5月16日、当協会設立以来、初の試みとして落語協会の金原亭馬生師匠をお招きし、総会後講演会が開催されました。前半は「人(他人)と人(自分)との接し方」というタイトルで講演され、後半は古典落語の「笠碁」を演じられました。
まず前半では江戸時代の庶民の生活ぶりを現代社会と対比しながら、講演されました。当時の日本橋、浅草、蔵前等の地名や午前、午後等の生活関連の言葉が脈々と現代にまで活き続けている一方で、精神面では当時の豊かさがどんどん遠ざかっていると警鐘を鳴らされました。物質的には貧しく、また、現代のような利便性がなくても知恵や創意工夫をちりばめて、精神的に自由で豊かな生活を送っていたことを独特のユーモアやウイットを交えて講演されました。そしてタイトルである人(他人)と人(自分)との接し方については「江戸の人々は見知らぬ人同士でも気軽に挨拶をし、困った時には親身になって互いに助け合うといった人と人との繋がりが日常茶飯事であったのに、現代の日本人は他人への挨拶や思いやりが薄れていき、ギスギスしたストレスの多い社会になっている。今こそ江戸庶民の生活の知恵から学ぶべき」と指摘されました。
後半では高座のセットも設営されて本格的な寄席の雰囲気が醸し出され、その人情味たっぷりの落語「笠碁」を師匠の名人芸で堪能させて頂きました。碁に夢中になって互いに喧嘩をしつつも相手の気持ちを察するというご隠居2人が中心ですが、周りの人々の心遣いも巧みに組み込まれていました。話が進むに連れて聴き手はぐいぐい馬生師匠の世界に引き込まれていき、碁を打ち合う場面が手に取るように浮かび上がりました。上品な話術の素晴らしさとビシッと決まった所作の美しさはまさに師匠の真骨頂を見せて頂いた感じで圧巻でした。聴講した会員各位から大変な好評を博しました。