漂白剤は、その優れた除菌効果、漂白効果から、公衆衛生の向上に大きく貢献してきました。現在でも広く利用され、生活環境を清潔に保つために役立っているばかりでなく、ますます期待されています。
漂白剤を化学反応から分類すると酸化型と還元型があります。
・ 酸化型には塩素系(液体)と酸素系(粉末と液体)があります。
・ 還元型には硫黄系(粉末)があります。
各々主成分が違うために特徴があります。よく見てお使いください。
次に、タイプによる各種漂白剤の液性、用途、特徴を表にまとめました。
種類 | 液体 塩素系 | 粉末 酸素系 | |
主成分 | 次亜塩素酸ナトリウム *) | 過ほう酸ナトリウム | 過炭酸ナトリウム |
液性 | アルカリ性 | 弱アルカリ性 | 弱アルカリ性 |
用途 |
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特徴 |
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*) 安定化剤として水酸化ナトリウムが含まれています。
【厨房用(台所用)漂白剤の種類と用途・特徴】
一般的には、塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム製剤)で除菌をします。飲食器の汚れを洗剤で洗い落とした後に、次亜塩素酸ナトリウムの100mg/Lの希釈液に10分間、あるいは200mg/Lの希釈液に5分間浸すと除菌できます。その後、水道水でよくすすいでから乾燥します。できれば80℃の食器保管庫で乾燥してください。
まず、まな板を中性洗剤で洗浄し、よくすすぎます。ついで、洗い桶(またはシンク)に塩素系漂白剤に表示してある使用法に従って漂白剤希釈液(次亜塩素酸ナトリウムの100~200mg/L)を作り、中性洗剤で洗浄し、よくすすいだまな板を完全に浸します。もし、一部浸しきれない部分には、図のようにふきんなどでくるみ、その桶(またはシンク)に入れます。ふきんの毛細管現象で、漂白液は希釈液面より上のところまで充分行きわたり、まな板とふきんの除菌と漂白が同時にできます。
(まんべんなく包んだふきんの上からも液を懸けると効果的です。)
(注)ステンレス製のシンクは、ステンレスの品番によっては錆を生じることがあります。
「大量調理施設衛生管理マニュアル」(衛食第85号別添)によれば、野菜類はよく下洗いした後に、次亜塩素酸ナトリウム(食品添加物であるもの)の100mg/L希釈液に10分間、あるいは200mg/L希釈液に5分間浸漬させてからよくすすぎます。
下洗いは新鮮と思われる野菜でも必ず丁寧にしてください。それは、新鮮な野菜ほど表面のろう成分が水をはじき細菌に溶液が作用しにくくしているからです。
一般的には塩素系漂白剤で除菌します。たわしやブラシは、十分に水切りした後に、次亜塩素酸ナトリウムの100~200mg/Lの希釈液に約30分浸して、除菌します。また、スポンジはあらかじめ水切りをしておき、液に浸したときにスポンジをよくもみ洗いすると次亜塩素酸ナトリウム希釈液が内部によく吸いこまれ、効果的です。このとき、炊事用手袋を使用してください。すすぎ後は充分乾燥して保管してください。
なお、スポンジの素材により、放置しすぎると変色する場合があります。
漂白剤に表示してある使用法に従って希釈液を作ります。特に、粉末漂白剤は、溶け残りが食器に付着することがありますので完全に溶かしてください。その中に食器を約30分浸してから水でよくすすいでください。食器を重ねたまま入れたり、水に浸した後から漂白剤を入れますと、効果にむらが生じるおそれがあります。また、金属の茶こしも同様にしてきれいにできますが、金属の種類によっては錆を生じる場合があります。
次の金属でできた製品には使用しないでください。
鉄、ブリキ、銅、真ちゅう、アルミニウム、銀、錫など
なお、ステンレス製ならば、多くの場合問題ありません。
漂白前にあらかじめ洗浄しておくと効果的です。商品に表示してある使用法に従って漂白剤希釈液を作り、よくかきまぜた後に、ふきんや作業衣を浸してください。色物に直接漂白剤を注いだり振りかけた後に、水やお湯を注ぐと部分的に漂白され、色むらが生じることがあります。注意してください。
除菌を目的とするときは、次亜塩素酸ナトリウム液を使います。次亜塩素酸ナトリウムの濃度が100~200mg/Lになるように希釈した溶液に約30分浸してください。その後水でよくすすぎ、乾燥してください。